中学受験の過去問は何年分やるべき?
過去問を何年分解くべきかは人によって考え方も違いますが、「できればたくさんやったほうがいい」のは事実です。
進学塾だと「第一志望は10年分はやってください」と言われるでしょう。
ただし過去問を解くのも受験するのも子供です。
無理してスケジュールを組んで適当に進めても効果は出ません。
多くの受験生を見てきましたが、実際に第一志望を10年分解けるのはレアケースでした。
この記事では中学受験対策の過去問は何年分やるべきかの理想と現実を比べます。
スケジュール作成の参考にしてくださいね。
理想は第一志望を10年分
進学塾ではできるだけ多くの過去問を解くよう指示します。
実際に子供ができるのは、指示した分より少なくなることがほとんどだからです。
多くの進学塾では以下のような指示になるでしょう。
- 第一志望 →10年分
- 第二志望 →5年分
- 第三志望 →3年分
第三志望まで対策すると考えると18年分です。
当たり前のことですが、1年分の中には4科目あります。
18年分×4科目で72回、解いて丸付けて直して…をくり返すわけです。
気の遠くなるようなボリュームですよね。
1年分=1回分
多くの中学校は、1年で数回の試験を実施しています。
第1回、第2回、特進、選抜などなど1年で5回の試験を実施する学校もあります。
1年で5回の試験がある場合は5年分と考えます。5回で1年分というわけではありません。
現実は第一志望を5年分
志望校のレベルが高い子供ほど過去問を解くペースも速いです。
添削する講師が疲れるくらいに……。
ですが偏差値50レベルで考えると18年分まで解ける子はほとんどいません。
第一志望でも5年分で限界がくるようです。
第二志望は3年分、第三志望にいたってはほとんど手が回らないケースが見られます。
理想と現実には大きな差がありますね
過去問は合格への近道で、受験ムードも高まります。
子供も始めはやる気にあふれ、週に2年分解いて持ってくることさえあります。
でもその勢いは1ヶ月でしぼんでしまいます。急に頑張りすぎるとすぐ疲れてしまうんですよね。
好きな教科だけは進めて苦手教科は放置状態。
特に国語と算数は時間も手間もかかるため、敬遠されがちな教科です。
重要なのは量より質
過去問は、解いて採点すれば終わりというものではありません。直しこそ重要です。
分かる問題だけ解いて採点して終わりという子供はとても多いです。
解いて採点したら過去問をやった気になってしまうんですよね。これでは本来の効果は得られません。
国語で言えば、答えだけでなく解き方にも注目して解答や解説を読ませてください。
本文や問題文を読み返し、間違いの原因を探って次に生かさなければいけません。
1年分の国語の問題を解くのには、最低でも1時間半はかかるでしょう。
過去問を解くのは時間がかかります。
何年分解くかにこだわりすぎてはいけません。何年分ではなく、どのぐらい集中して吸収できたかが重要です。
余裕をもってスケジュールを組んでいかないといけませんね。
11月からでも週1年で間に合う
子供のモチベーションと時間を考えると、スケジュールはゆるめに作っておくのが良いでしょう。
最低ラインとしては、以下のスケジュールをオススメします。
- 第一志望 →4年分
- 第二志望 →3年分
- 第三志望 →2年分
全部で9年分です。
1週間で1年分を進めていけば、11月から始めても1月の受験に間に合います。
10月に始めれば週1年分のペースが多少崩れてもOKです。余裕をもって進められますね。
第四志望以降も受験するならせめて1年分はやっておきましょう。
問題数や解答用紙のイメージを持っておくだけでも、当日の意識が大きく変わります。
理想を追いすぎないで
この記事は保護者、親御さんに向けて書きました。
受験は本人よりも周りの人が焦り、不安に感じてしまうからです。
理想通りでなければ合格できないとは思わないでほしいのです。
過去問はできるだけ多く解いたほうがいいのは間違いありません。
より多く解く努力もするべきですが、必ずしも理想通りには進まないのが普通だと思ってください。
理想通りに進められなくても、質が高ければ大丈夫です。重要なのは量より質。
第三志望まで、全部で9年分というのを最低ラインとしてみましょう。
子供の様子を見て、質にこだわって進めてくださいね。
過去問を解く目的とは?傾向・時間配分・モチベupに役立てよう