過去問を解く目的とは?傾向・時間配分・モチベupに役立てよう

志望校へと続く道

過去問を始めるのは6年生の秋からがベストですが、ただなんとなく進めるだけでは時間の無駄です。

肉体的にも精神的もツライ時期、無駄なことをしている余裕はありません。

過去問に取り組む目的は、大きく分けて以下の3つです。

  • 問題の傾向をつかむ
  • 時間配分を身につける
  • モチベーションを上げる

この3点を意識して取り組むことで、短い時間でも効果が上がります。

この記事では国語の過去問を解くうえで頭に入れておくべき目的をご紹介します。

黄色いドアと窓 過去問は何年分やればいい?中学受験の理想と現実も公開します

目的[1] 問題の傾向をつかむ

過去問で知る傾向

過去問の目的と聞いて真っ先に思いつくのがこれではないでしょうか。

志望校の入試問題の傾向をつかみ弱点をつぶしていくということです。

問題に慣れることもできるので、受験当日に落ち着いて試験を受けられるというメリットもあります。

過去5年分(5回分)くらいを見ればおおよその傾向はつかめます。

途中で大幅に問題形式が変わっているときは新しいほうに注目しましょう。

中学入試全体として「知識より思考力」という傾向はありますが、「思考力のベースは知識」という観点から入試では敢えて知識を中心に問う学校もあります。

具体的に見るポイント

問題の傾向4つ

まず見るべきは全体の問題量で、国語で言うと大問や設問の数です。

問題数を眺めるだけではなく、実際に解いてみることで手間や難易度も含めた問題量が把握できます。

漢字や知識問題の量も重要です。

20問ほど書き取りをさせる学校もあれば、数問だけという学校もあります。

前者なら書き取り練習の時間がより必要と考えられますよね。

詩や文学史のように出題する学校が少ない分野にも注目です。

過去3回の中で出題されていれば次も出ると考えてしっかり勉強しておきましょう。一度も出題されていないようなら後回しでOKです。

詩や文学史は過去3年で一度も出題されていなければ後回しにしてOKです

忘れてはいけないのが記述問題の扱いです。

問題数と内容は学校によって大きく異なります。ベーシックなのは大問1つにつき2問で計80字程度の記述でしょうか。

ほぼすべての問題が記述の学校、大問の最後に要約を100字以上書かせる学校、本文に絡めた自分の体験を書かせる学校など、それぞれに特色があります。

ほかにも本文の長さや読解の種類(物語分、説明文……)など見るべきところは数多くあるので、傾向を書き出してチェックするのは難しいと思います。

過去問を数回分解き、肌で感じて吸収していきましょう。

目的[2] 時間配分を身につける

国語は時間が足りなかったということの多い科目です。

体感ですが、模試の結果でも後に出てきた大問のほうが正答率が低く空欄も多く見られます

生徒からは「時間が足りなかった」「前の問題に時間をかけすぎた」という感想が聞こえました。

大きく分けると2パターン

入試問題のパターン

国語の入試問題は大きく2つのパターンに分けられます。

ひとつは読解の文字数や問題量が多く時間に余裕のないパターンです。

はじめて過去問に取り組んだときは、大問1つにほぼ触れることなく制限時間を迎えてしまうことでしょう。

このタイプの問題はとにかく最後まで終わらせることが最優先です。

じっくり確実に解いていくのではなく、7割くらいの理解で良いからどんどん進めていかなければいけません

記述問題も満点ではなく部分点を狙い、それなりの答えが書けたら次へ進みます。

じっくり考えて完璧な答えを目指すタイプの子には難しい注文ですが、学校の傾向に合わせて切り替える柔軟さを身につけましょう。

もうひとつは比較的時間に余裕があるパターンです。

はじめて取り組むときでも最後まで解き終えることができて自信を持ったのに、採点してみたら点数が伴わず不思議そうにすることも。速く解いて満足してしまうタイプの子が苦手とするパターンです。

ミスリードする設問も多いため、しっかり読んでじっくり答えたうえで見直しも行うことが必要です。

記述問題もより満点に近づけるよう、本文を繰り返し読んで根拠を拾います。

問題を解き終えることは当たり前。解き終わってからの時間をどう過ごすかが重要です。

どんなに知識やテクニックを身につけても、問題を読んで解答することができなければ点数にはなりません。

過去問を解きながら時間配分を決めておくことで、一発勝負の入試で失敗する可能性を減らせます。

目的[3] モチベーションアップ

過去問のメンタル効果

過去問に取り組む目的の中で意外と大切なのが、受験に対するモチベーションupです。

6年生の夏を迎えても、残念ながら多くの子供は受験生という自覚が持てません。

志望校選びも受験勉強もどこか他人事で、見ている親が焦ってしまいますよね。進学塾でもそういう生徒は少なくありません。

過去問に取り組むことは、そんな子供の意識を受験へ向けさせるのに役立ちます。

実際の試験問題なので受験生という自覚も生まれますし、「これが解ければ合格だ!」という最終目標もはっきりと感じられます。

勉強の量も集中力も結局は子供のやる気次第です。

知識よりテクニックより大事なことかもしれませんね。

目的を意識して取り組もう!

過去問は志望校へ向けて欠かせない勉強です。

親も子供も早くたくさん取り組みたいと考えがちですが、大切なのは量より質。

過去問は問題も時間も限られています。

無駄に消耗しないためも目的意識は大切です。

何のために解くのかを意識して過去問に取り組み、志望校対策に役立ててくださいね。

モミジ 中学受験の過去問はいつから始める?国語は6年生の秋からがオススメ

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