同訓異字「オサめる」「ハカる」の使い分けと勉強法を解説します

4つの多肉植物

同訓異字は訓読みは同じで漢字が異なるというものです。漢字が異なるのですから、意味も違います。

この記事では同訓異字の中でも基本中の基本でありながら、大人でも使い分けに迷うことの多い「オサめる」「ハカる」を解説します。

何度も勉強しているはずなのに、受験直前でもできない子は少なくありません。

まずはざっくりとイメージで分け、細かい例外や判断しづらいものは一つずつ修正していきましょう。正しく覚えれば差がつきますよ。

4つの「オサめる」

4つの「オサめる」

「オサめる」には4つの漢字があります。子どもにとってはなじみのない言葉です。

  • 治める → 管理
  • 納める → お金
  • 修める → 学問
  • 収める → 入れる

大きくイメージで分けるだけでも7割の問題には正解できます。

治・・・管理

【意味】
管理する 安定させる

【覚え方】
熟語でイメージしてみましょう。「統治」「政治」「治安」といった熟語があります。
広い場所や多くの人をまとめて、状態を安定させるという印象を持つのではないでしょうか。

【出題例】
・領地をオサめる。
・国をオサめる。

広い範囲や複数の人を表す言葉と一緒に使われていますね。

納・・・お金

【意味】
相手に渡す

【覚え方】
「納税」が一番イメージしやすい熟語です。
意味としては「相手に渡す」ですが、渡すもので一番多いのは「お金」です。まずはこのイメージで覚えましょう。
余裕があれば、「納期」「納入」といった熟語でも使われる「頼まれた物を渡す」という意味も頭に入れておくといいですね。

【出題例】
・税金をオサめる。
・会費をオサめる。

修・・・学問

【意味】
学問や芸を身につける

【覚え方】
「修学旅行」という単語がイメージしやすいでしょう。学問や芸事を身につけるというときに使われます。
間違えやすいのは「成績をオサめる」です。
学問に近いので「修」にしてしまいがちですが、実は「収」です。勉強が身に付いた結果、成績を手に入れたと考えます。

【出題例】
・医学をオサめる。
・学業をオサめる。

収・・・入れる

【意味】
入れる 手に入れる

【覚え方】
「治・納・修」のどれにも当てはまらないものと考えてもOKです。
「収入」「収穫」「収益」などの熟語に使われています。
物を中に入れるという使い方のほか、自分のものにするという使い方もします。

【出題例】
・勝利をオサめる。
・成功をオサめる。

4つの「ハカる」

4つの「ハカる」

「ハカる」にも4つの漢字があります。

子どもたちにとってよく聞く言葉ではありますが、漢字の使い分けはあいまいなようです。

  • 図る → 考え
  • 量る → 重さ
  • 計る → 時間
  • 測る → その他

ほとんどの子供は、目盛りを読んでその程度を数字に表すのが「ハカる」だということは分かっています。

意識すべきは「何をハカる」のかです。

図・・・考え

【意味】
工夫する 実現するようにする

【覚え方】
4つのハカるのうち、唯一「数字」が関わりません。
「意図」「指図」でイメージできるでしょうか。
頭の中で考えて実現を目指すときに使います。

【出題例】
・問題の解決をハカる。
・コミュニケーションをハカる。

量・・・重さ

【意味】
重さや容積を量る

【覚え方】
「重さ」「容積」というのがポイントです。
子どもとしては、グラムやリットルを量ると考えたほうが分かりやすいかもしれません。
「 “量” という漢字は “はかり” に似ているよね」と言うと納得する子どもも多いです。

【出題例】
・体重をハカる
・目方をハカる。

「目方」という言葉を知らないために解答できないことも多いので、「目方=重さ」は確認しておきましょう。

計・・・時間

【意味】
数や時間を計る

【覚え方】
まずは「時間=計る」と覚えてしまいましょう。
「時間を計るものは?」「時計!……あ!計だ!」というやり取りをすると、だいたいの子どもはスルッと頭に入ります。

【出題例】
・マラソンでタイムをハカる。
・通勤時間をハカる。

測・・・その他

【意味】
長さや深さを測る

【覚え方】
長さ、深さ、面積、温度など、多くのものに使われます。
ちょっと強引ではありますが、考え(図)、重さ(量)、時間(計)ではないものは「測」と考えるとうまくいくことは多いです。
「身体測定の中にも ” って漢字が入ってるよね? 背の高さ、胸囲、足の力、いろいろ測るよね?」と言うと、ピンとくる子もいます。
ただし、体重は重さなので「量る」という言葉は添えてくださいね。

【出題例】
・距離をハカる。
・身長をハカる。

文単位での練習がオススメ

「図る」練習方法

偏差値50まではそれぞれの意味をイメージで分けて、「なんとなく分かる」状態を目指しましょう。細かく説明すると、子どもは面倒だと判断し思考を止めてしまいます。

「オサめる」も「ハカる」も「何を」が重要です。どんな言葉と一緒に使うのかを体にしみこませるために、文単位で練習しましょう。

意味を考えて文で練習すれば、自然と使い分けのイメージもできてきます。

苦手分野を得意分野にして、自信をつけましょう!

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