ことわざってどうやって勉強したらいいんだろう…
ことわざの勉強は一度しっかり理解したらあとは練習あるのみです。
漢字や語彙、文法はすべてこの「理解→練習」の流れで勉強するのが効率的です。
この記事ではことわざの基本と出題形式、勉強法を解説します。
練習問題も用意したので、 自作問題の参考にしたりそのままプリントアウトして解いたりと活用してくださいね。
ことわざとは
ことわざとは昔から言い伝えられていた「教訓や戒めなどを含む表現」です。
故事成語や慣用句と重なる部分もありますし、はっきりとここからここまでがことわざだと決められてはいません。
生活の中で自然と生み出された表現なので、反対の意味を持つ語や使われ方が変わってきた語もあります。
みじかく表現したり語尾が変わったりすることもあるので、柔軟に理解しましょう。
ことわざの勉強法
ことわざの勉強は「理解→練習」が基本です。
ことわざに限らず慣用句や四字熟語など、語彙の勉強法はすべて同じです。
まずはしっかりと言葉を理解し納得してからさまざまな形式で問題を解いて理解を深めます。
単語まで分解して理解する
ことわざは昔の生活や文化に根付いたものなので、今の子どもにはピンとこない単語が含まれるものが多いです。
たとえば「ぬかにくぎ」や「のれんにうでおし」。
大人なら当たり前のように分かる「ぬか」や「のれん」が分からない子供は少なくありません。
昔と比べてあまり見なくなりましたもんね。
単語が分からないことわざは勉強しても覚えにくく、時間が経つとすぐ忘れてしまいます。
まずは単語レベルでことわざをしっかり理解し納得することが大切です。
「のれんにうでおし」を理解するなら…のれん=布の看板
のれんに腕を押しても抜けてしまう
てごたえがない
分からない単語は調べて理解し、状況をイメージして意味を理解します。
一度しっかり理解できれば自然に意味が頭に入り、ことわざを見るだけで意味が分かるようになります。
演習形式で練習する
意味をしっかり理解したら繰り返し練習しましょう。
ことわざと意味をずっと眺めれば練習になると考える子も多いですが、おすすめできません。
実際にテストなどでは、記号の選択問題も含めて書いて答えさせることがほとんどです。
書いて答えるのですから書いて練習しなければいけません。
かといってことわざと意味をひたすら書くだけではすぐに飽きてしまいますし、練習としては不十分です。
ことわざの練習は問題を解く演習形式で進めましょう。
ことわざと意味を結ぶ、空欄をうめる、ことわざを半分に切ってつなげる……いろいろな形式の問題を解くことで実際に出題された時の対応力も鍛えられます。
解いて採点して覚え直し、もう一度解いてみる。全部答えられるようになるまで繰り返します。
1回の練習で覚えられるのは10~20語くらいだと思います。苦手なら5語でも構いません。
子どもの得意不得意に合わせて1回の量は調節し、少なければ回数を増やしましょう。
1日5語だけでも1週間続ければ30語以上マスターできますね
問題集には直接書き込まずノートに解けば、しばらく後で同じ問題がまた使えますよ。
ことわざの出題形式
ことわざの出題形式はさまざまですが、中学入試で見るのは主に3パターンです。
- 穴うめ
- 言い換え
- 類語・対語
知識問題の大問として出題する学校もありますが、多くの学校では読解文にからめて出題されます。
穴うめ
問:石の上にも( )年
ア.一 イ .三
ウ.十 エ .百
ことわざの数字や動物、ものの名前などが空欄になっているタイプの問題です。
読解問題では問1または問2で出題されることが多く、選択ではなく記述式で答えることもあります。
空欄以外の部分をヒントに考えられるため難度は高くありませんが、選択肢に惑わされてしまうことがあるので注意しましょう。
言い換え
問:「母にきつく言われても、あの時の僕はまったく気にせず同じことをくり返していた」とありますが、「あの時の僕」の様子を表すのに適切なことわざを選びなさい。
ア.馬の耳に念仏
イ.猿も木から落ちる
ウ.袋のねずみ
エ.鯉の滝のぼり
読解文の一部を指定し、様子や状態を表すのに適切なことわざを選ぶ問題です。
ことわざを知っているだけではなく、実際にどういった場面で使うのかを知らなければ解けません。
また入試では選択肢の中に難しいことわざがあって消去法が使えないケースもあります。
難度の高い問題です。ことわざの意味をしっかり覚えるのはもちろん、普段から分からない言葉は推測するクセもつけておきましょう。
類語・対語
問:「ローマは一日にしてならず」と似た意味を持つことわざを答えなさい。
ア.雨だれ石をうがつ
イ.濡れ手であわ
ウ.待てば海路の日和あり
エ.石橋をたたいて渡る
似た意味のことわざや反対の意味を持つことわざを答えさせる問題です。
ことわざはたくさんあります。
ひとつずつ覚えるだけでなく、似た意味や反対の意味、動物に関するもの、天気に関するものなど関連することわざをまとめて勉強していくのも良いですね。
【練習問題あり】厳選30語!中学受験で覚えておきたい「動物のことわざ一覧」中学受験向け練習問題
中学受験で知っておくべきことわざの練習問題です。
よく見る出題形式で10問ずつ、計30問あります。
30問の目標時間は8分ですが、入試レベルなら6分を目標にすると良いでしょう。
ぜひタイマーを準備してチャレンジしてみてください。
穴うめ問題 10問
問:空欄に数字を入れてことわざを完成させなさい。
- 一を聞いて( )を知る
- 一寸の虫にも( )分のたましい
- ( )階から目薬
- 早起きは ( ) 文の徳
- 三つ子のたましい ( ) まで
- ( ) 里の道も一歩から
- なくて ( ) くせ
- ( ) 死に一生を得る
- ローマは( )日にしてならず
- 人のうわさも ( ) 日
十 五 二 三 百
千 七 九 一 七十五
言い換え問題 10問
問:次の文と関係の深いことわざを下から記号で選びなさい。
- 友達とけんかしたら前より仲よくなった
- 苦手だったマラソン。2年間毎日走ったらクラスで1番のタイムになった
- 思わず言ってしまった一言でクラスのみんなに迷惑をかけた
- AさんとBさんは目があっただけでけんかを始める
- いつも100点のAさんが今回のテストでは50点だった
- 財布を見たら2円しか入っていなかった
- 1歳の孫に高級時計をプレゼントした
- レシピを見ても分からなかったのに実際に作っているところを見たらすぐに分かった
- 宝くじを買ったので、当たったときのために買うものを選んでおく
- 今日はお客さんが多いのに従業員が2人も風邪で休んでしまった
ア)すずめのなみだ
イ)口はわざわいの元
ウ)石の上にも三年
エ)猫に小判
オ)百聞は一見にしかず
カ)猫の手も借りたい
キ)とらぬたぬきの皮算用
ク)弘法も筆の誤り
ケ)犬猿の仲
コ)雨降って地かたまる
コ ウ イ ケ ク
ア エ オ キ カ
類語・対語問題 10問
問:反対の意味を持つことわざを下から記号で選びなさい。
- 善は急げ
- 渡る世間に鬼はなし
- うりのつるになすびはならぬ
- 果報は寝て待て
- 下手の横好き
- 二度あることは三度ある
- あばたもえくぼ
- 一石二鳥
- 三人寄れば文殊の知恵
- 立つ鳥あとをにごさず
ア)船頭多くして船山に登る
イ)人を見たら泥棒と思え
ウ)二兎を追う者は一兎をも得ず
エ)とんびがたかを生む
オ)まかぬ種は生えぬ
カ)好きこそものの上手なれ
キ)旅の恥はかき捨て
ク)坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
ケ)急いては事をし損じる
コ)柳の下のどじょう
ケ イ エ オ カ
コ ク ウ ア キ
まとめ
くり返しになりますが、ことわざの勉強は「理解→練習」でおこないましょう。
しっかり理解することで長く使える知識になります。
土台さえ作れればあとはくり返し練習するだけです。
ことわざを含めた語彙の勉強は読解力にもつながります。
地味で面倒な勉強だとは思いますが頑張って続けてみてくださいね。
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