ことわざは読解の中で問われることも多いため、中学受験をするなら必須の知識です。
とはいえことわざ辞典などを見ると量が多くゲンナリしてしまいますよね。
一気に全部覚えようとすると大変なので、いくつかのグループに分けて少しずつ繰り返し頭に入れていきましょう。
動物が入っていることわざから中学受験で覚えておきたい30語を厳選しました。
1日6語覚えて土日で復習すれば1週間でマスターできる量です。
お子さんの語彙力アップにお役立てください。
「猫」のことわざ
- 猫に小判
- 猫をかぶる
- 猫の手も借りたい
- 猫にかつおぶし
猫に小判
意味:どんなに立派なものも価値のわからないものにとっては値打ちがない
小判とは昔のお金のこと。人間で言うと「遠くの店でしか使えない商品券をもらっても喜べない」といった感じでしょうか。
猫をかぶる
意味:本性を隠しておとなしくふるまう
猫なで声(甘えた声)という言葉もありますし、猫には外面が良いイメージがあるようですね。
猫の手も借りたい
意味:とにかく忙しい様子
ネズミを捕るくらいしか役に立たないような猫の手でも借りたくなる。そのぐらい忙しいという様子です。
猫にかつおぶし
意味:油断できない状況になる
猫の前にかつおぶしを置いたらすぐに取られてしまう、つまり油断できない状況になるということです。
「犬」のことわざ
- 犬が西向きゃ尾は東
- 犬猿の仲
- 犬も歩けば棒に当たる
- 飼い犬に手をかまれる
犬が西向きゃ尾は東
意味:当たり前である
方角と犬の体を想像してみたら納得できますよね。
犬猿の仲
意味:とても仲が悪い
「犬と猿」と表すこともあります。
犬も歩けば棒に当たる
意味:でしゃばると思わぬ災難にあう
現在では「思わぬ幸運にめぐり合う」という本来とは逆の意味で使われることもあります。
飼い犬に手をかまれる
意味:かわいがってきたものに裏切られる
「飼い犬=かわいがって面倒をみてきたもの」と考えます。
部下や後輩、支援してきた人に使うことが多いです。
「虎」のことわざ
- 虎の威を借るきつね
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず
- 前門の虎 後門の狼(おおかみ)
- 虎の尾を踏む
虎の威を借るきつね
意味:権力者の力を使っていばる
虎の権威を借りるきつね、と考えると分かりやすいかもしれません。
虎穴に入らずんば虎子を得ず
意味:危険を冒さないと成功は得られない
「入らずんば」は「入らなければ」、「得ず」は「得られない」ということです。
前門の虎 後門の狼
意味:ひとつの災いから逃げても別の災いが襲ってくる
虎も狼(おおかみ)も強くて怖いものと考えます。
虎の尾を踏む
意味:とても危険なこと、おそろしいことをする
虎は強くて怖い生き物の象徴と考えましょう。
「鳥」のことわざ
- 鶴は千年 亀は万年
- 能ある鷹(たか)は爪を隠す
- 雉(きじ)も鳴かずば撃たれまい
- はとが豆鉄砲をくらったよう
鶴は千年 亀は万年
意味:長寿で縁起がいい
長寿を祝うときなどに使います。
能ある鷹は爪を隠す
意味:本当に力のあるものは普段はそれを隠している
「能」は「能力」のこと。 力をひけらかすのは本当の実力者ではないということです。
雉も鳴かずば撃たれまい
意味:余計なことを言って災いに巻き込まれる
実際には「余計なことを言って災いに巻き込まれた人」に対して、かわいそうに思ったりいましめたりするときに使うフレーズです。
鳩が豆鉄砲をくらったよう
意味:おどろいてきょとんとしている
はとのように目を見開いておどろく様子です。
「蛙」のことわざ
- 井の中の蛙(かわず)大海を知らず
- 蛙の面(つら)に水
- 蛙の子は蛙
井の中の蛙大海を知らず
意味:見分が狭く広い世界を知らない
「かわず」という読み方に注意です。
「井の中の蛙」だけで使うこともあります。
蛙の面に水
意味:何をされても平気で動じない
「面(つら)」は顔のことです。
蛙の子は蛙
意味:子供は親に似る
類義語「うりのつるになすびはならぬ」、対義語「とんびが鷹(たか)を生む」もセットで覚えられるとなお良いです。
そのた動物のことわざ
- きつねにつままれる
- きつねの嫁入り
- 大山鳴動してねずみ一匹
- 袋のねずみ
- 二兎を追うものは一兎をも得ず
- 捕らぬたぬきの皮算用
- 猿も木から落ちる
- 馬の耳に念仏
- やぶをつついてへびを出す
- 海老で鯛を釣る
- 豚に真珠
きつねにつままれる
意味:意外なことが起こってわけが分からずあぜんとする
「きつねにつつまれる」と間違う子供が意外に多いので、しっかり書いて覚えましょう。
きつねの嫁入り
意味:晴れているのに雨が降る、天気雨
天気(雨)を表す語彙としても知っておきたいです。
大山鳴動してねずみ一匹
意味:大さわぎの原因がつまらないものだった
大きな山が鳴り響いて何事かと思って見守るものの出てきたのはねずみ一匹だった、というギリシアのことわざから生まれた語です。
袋のねずみ
意味:追い詰められて逃げられない
袋の中に追い込まれたねずみをイメージしてみましょう。
二兎を追う者は一兎をも得ず
意味:欲を出して2つを得ようとするとどちらも逃してしまう
「兎」を書かせる学校はありませんが、選択肢から選べるように読み方だけは知っておきましょう。
取らぬ狸の皮算用
意味:手に入る前からあてにする
「皮算用」だけで使うこともあります。
猿も木から落ちる
意味:名人も失敗する
類義語「弘法にも筆の誤り」「河童の川流れ」も知っておくとさらに良いです。
馬の耳に念仏
意味:いくら意見しても聞く耳を持たず効果がない
「猫に小判」「豚に真珠」とも意味が近いです。
やぶをつついてへびを出す
意味:余計なことをして災いをまねく
「やぶへび」と言うこともあります。
やぶは草や低木などが生い茂っているところのことです。
海老で鯛を釣る
意味:小さな労力で大きな利益を得る
海老は高級食材というイメージの強い子もいるので、「安い海老」で「高い鯛」が釣れたとしっかり認識することが大切です。
豚に真珠
意味: どんなに立派なものも価値のわからないものにとっては値打ちがない
「猫に小判」とほぼ同じです。一緒に覚えましょう。
穴うめ練習問題
問:( )に動物の名前を入れてことわざを完成させなさい。<目標:3分>
- ( )に真珠
- 袋の ( )
- ( ) の手も借りたい
- ( ) が西向きゃ尾は東
- ( ) の面に水
- ( ) の耳に念仏
- ( ) の尾を踏む
- ( ) につままれる
- 捕らぬ ( ) の皮算用
- ( ) も木から落ちる
豚 ねずみ ねこ 犬 かえる
馬 とら きつね たぬき さる