中学受験の四字熟語は知識問題対策としても読解文の理解としても重要です。
漢字が4つも並ぶため、子供の苦手意識が生まれやすい分野でもあります。
苦手意識を作らないためには数を決めてゴールを明確化すると良いでしょう。
進学塾での指導経験から、私は受験までに最低限覚えたいのは80語だと思っています。
3年生までに10語、4年生で30語、5年生ではその復習をしながら新たに25語を覚えるというペースを考えました。
1年間で25語ということは「一ヶ月に2語」でOKということです。
なんだかできそうな気がしませんか?
元塾講師の経験からまとめた「5年生で覚えるべき四字熟語25」を紹介します。
5年生がまず覚えるべき10語
我田引水
【意味】自分に都合がいいように行動する
我の田に水を引く、つまりほかの田んぼのことを考えず自分の田んぼにだけ水を引くことから自分勝手で自己中心的なことを指します。
臨機応変
【意味】状況に応じて適切に行動する
機に臨んで変化に応じる、つまり何かが起こったときその変化に応じて行動するということです。
機転が利く、ケースバイケース、時と場合に応じるなどの類語も一緒に覚えられるとさらに良いですね。
馬耳東風
【意味】人の意見に耳をかさない
「親や先生の注意を聞かない誰かさんのこと」と言うと実感を伴って頭に入るかも。
晴耕雨読
【意味】世間のわずらわしさから離れて自然のままに生きる
晴れた日には畑を耕し雨の日には書を読む。漢字ひとつずつをそのまま読んでイメージするような生活です。
半信半疑
【意味】半分信じて半分疑う
物語文では友人の転校や親の病気などの話を聞いて「それでもまだ半信半疑だった」というような流れで使われますね。
誠心誠意
【意味】うそなく真心で対応する
「誠」は6年生で習う漢字ですが、既習の漢字の組み合わせなので書けるでしょう。「誠実」「忠誠」といった言葉も合わせて覚えるとさらに良いですね。
空前絶後
【意味】今もこれからもありえない
某お笑い芸人さんの影響で知っている子供も多いのですが、ほとんどが意味までは正確に知らないので注意が必要です。
不言実行
【意味】目標などを黙って実行する
有名なのは有言実行ですが、実は不言実行のほうが先にできた言葉です。
意味深長
【意味】深い意味や内容がある
意味が深くて長いという感じからイメージしやすいでしょうか。
他力本願
【意味】他人の力をあてにする
一般には主に悪い意味で使われ、多くは「自分の力でやるべき」という気持ちを含んでいます。
漢字を間違えやすい5語
因果応報
【意味】過去の行いの報いを受ける
「因果」ではなく「困果」と書いてしまうことがあります。
漢字テストではほかに「因難(困難)」「原困(原因)」なども見られるため、違いを意識することが重要です。
自由自在
【意味】どのようにでも思い通りにできる
「自在」を「自存」と書いてしまうことがあります。
「存在」という熟語のせいか、「存」「在」は取り間違えやすい漢字なので気をつけたいですね。
電光石火
【意味】行動が素早い
素早いというイメージに引っ張られるのか、「電」を「雷」と書き間違える子が多いです。
針小棒大
【意味】大げさに言う
針のように小さいことを棒のように大きく言う。
「棒」には横棒(横に引く線)が多いため、画数を意識しないと間違いにも気づかないので注意しましょう。
適材適所
【意味】人材を能力に合う地位や仕事につける
間違えやすいのは「適」。特にしんにょうに乗っている部分を「商」にしてしまうことが多いです。
読み方を間違えやすい5語
一念発起
【意味】何かを成し遂げようと思い立つ
正しくはイチネンホッキですがイチネンハッキと間違えてしまう子が多いです。読み方を間違えた結果、「一念発揮」と書き間違えてしまうことも。
「発作」「発端」と同じように、「発=ホッ」と読むことに注意しましょう。
主客転倒
【意味】順序や立場が逆転する
「主客(シュカク)」をシュキャクと読んでしまうことが多いです。声に出すとシュカクのほうが口がまわりやすいことを体験させてみるのもひとつの手です。
玉石混交
【意味】価値のあるものとないものがまざっている
「混交(コンコウ)」を読み方も漢字も合わせて「混合(コンゴウ)」間違えてしまうことが多いです。
かつての生徒は「男女混合リレーとかでよく使う言葉だから間違えちゃう」と言っていました。
大器晩成
【意味】偉大な人物は遅くに大成する
「大器(タイキ)」をダイキと間違えやすいので注意。「晩」が遅い時間を表す点を理解できると良いですね。
小春日和
【意味】冬の初めの暖かい天気
「日和」は単体でヒヨリと読むためコハルヒヨリと間違えることも。季語としての小春と合わせて覚えましょう。
中学で習う漢字を使う5語
試行錯誤
【意味】失敗を繰り返して目標に近づく
「錯」が中学で習う漢字です。日常で目にする機会も少ないため、一度しっかり確認しておきましょう。
優柔不断
【意味】決断力がない
「柔」が中学で習う漢字です。書きにくい漢字なので、まずは読めるようになることから始めましょう。
五里霧中
【意味】迷って見通しが立たない
「霧」が中学生で習う漢字です。
雨かんむりで意味を、務の部分で読み方(音)を表しているので、一度理解すれば画数の割には覚えやすいはずです。
興味津津
【意味】非常に興味、関心がある
「津」が中学で習う漢字ですが、社会の授業で地名として読み書きするので知っている漢字ではあるはず。
興味津々と書くこともあります。
本末転倒
【意味】大事なところとそうでないところを取り違える
「倒」が中学で習う漢字ですが、倒置法や七転八倒など小学生でも使う機会の多い漢字です。書けるようにしておくと良いでしょう。
練習問題で確認してみよう
25語を確認したら練習問題で力試ししてみましょう。
意味を問う問題を5題用意しました。6年生の復習としてもお使いください。
問:関係の深い四字熟語を選びなさい。
1)動物好きなAさんが飼育係になった。
2)カフェで何を注文するか15分なやむ。
3)店には歴史ある絵もガラクタもある。
4)試合開始から3秒で勝敗は決まった。
5)少しペンを借りたらぬすんだと言われた。
玉石混交 針小棒大 優柔不断
電光石火 適材適所
1)適材適所
2)優柔不断
3)玉石混交
4)電光石火
5)針小棒大
まとめ
25語は一気に覚えるには量が多いと感じるかもしれません。
月に2語ずつ、1年かけて覚えていくと良いですね。
覚えた知識は使わなければすぐ忘れてしまいます。3,4年生で覚えた四字熟語と合わせて定期的に確認しましょう。
練習するときは漢字も正確に覚えられるように、見るだけでなく必ず書くのがポイントです。
復習しながら勉強を進めていくことで、新しい知識も吸収しやすくなります。
本格的な受験勉強の始まる6年生に向けて、基礎を確実なものにしておきましょう。
▼練習問題をダウンロードする
中学受験に出る四字熟語の覚え方と勉強法!始めに覚える基本10語も紹介