中学受験において四字熟語の理解は必須項目ですが、何となく参考書を眺めるだけでは頭に入りません。
多くを求めすぎても浅い知識で終わってしまうので、四字熟語は数を決めてきっちり覚えるのがおすすめです。
受験までに最低限80語を覚えるとして、3年生の段階で10語は頭に入っているはず。
4年生ではその10語に加えて、まず以下に挙げる30語を覚えることを目標にしてみましょう。
まずは10語覚えてみよう
まずはよく見る10語です。漢字も書けるように練習しましょう。
異口同音
【意味】多くの人が同じことを言う
「異なる口」で「同じ音(声)」を出すということです。
自業自得
【意味】自分がしたことの報いを受ける
「報い」とは、何かの結果として得るものを指します。悪い結果によく使います。
老若男女
【意味】老人も若者も男性も女性も(誰でも)
漢字から推測できますね。「ろうにゃくなんにょ」という読み方もポイントです。
有名無実
【意味】名ばかりで質がともなわないこと
「勉強していない “受験生”」が分かりやすい例かもしれません。
言語道断
【意味】話にならない。もってのほか
「げんご」ではなく「ごんご」という読み方に注意。
日進月歩
【意味】月日とともに進歩する
科学技術や医療技術のめざましい進歩に対して使うことの多い四字熟語です。
起承転結
【意味】文章の構成や物語の展開など、物事の順序
物語で言うと「起」でテーマを提示、「承」でそれを受け、「転」で展開を一気に変えて、「結」で話を結びます。
大同小異
【意味】細かい点は異なっても全体的にはほぼ同じ
似た言葉に「同工異曲」や「五十歩百歩」があります。
賛否両論
【意味】賛成、反対の両意見がある
「さんぴ」という読み方に注意。
前代未聞
【意味】今まで聞いたこともない変わったこと
「未(いま)だ聞いたことがない」と覚えましょう。
漢字に注意したい6語
四字熟語は漢字を問われることも多いので書く練習が欠かせません。
特に間違いの多い6語をまとめました。
絶体絶命
【意味】窮地、ピンチに追い込まれた状態
「絶 “対” 絶命」と間違えます。
完全無欠
【意味】欠けがなくすべてそろっている
「完全無 “決” 」と間違えます。「欠けが無い」という意味と漢字を一緒に覚えましょう。
一朝一夕
【意味】きわめて短い時間
一石二鳥と混同して「一 “鳥” 」や「一 “石” 」と間違えます。
自画自賛
【意味】自分で自分を褒める
自我という熟語をよく見るためか、「自 “我” 自賛」と間違えます。
右往左往
【意味】大勢が右へ左へと動き、場が混乱する
「右 “住” 左 “住” 」と間違えます。にんべんとぎょうにんべんは混同しやすい部首です。
無我夢中
【意味】我をなくすほど心をとらわれる
「無我 “無” 中」と間違えます。「夢中になる」という意味で考えて。
小学校で習わない漢字の4語
四字熟語に使われる漢字の中には小学校で習わないものもあります。
子供たちは「ずるーい」「書けるわけなーい」と言いますが、小学校で習う漢字かどうかは中学受験では関係ありません。
四字熟語は漢字も書けてはじめて「覚えた」と言えるのです。
一喜一憂
【意味】状況が変わるたび喜んだり落ち込んだりする
「憂」は心配という意味です。「優」のにんべんがない形なので、一度しっかり頭に入れれば難しくありませんよ。
危機一髪
【意味】もう少しで危険というギリギリの状態
「髪」は読めるけど書けない漢字。左上の部分は「長」より1画少ない点に注意しましょう。
七転八倒
【意味】痛みや苦しみでのたうち回る
「倒」は「倒置法」などで見たり書いたりすることが多いものの、実は中学校で習う漢字です。書けるようにしておきましょう。
取捨選択
【意味】多くの中から良いものを選び悪いものを捨てる
「取る」ものと「捨てる」ものを「選択」します。「択」は小学校で習いませんがよく見る漢字ですよね。
数字の入っている10語
数字を使った四字熟語は多いですが、数字が表す意味をしっかり考えると覚えやすくなります。
意味が大事、ですね!
心機一転
【意味】あるきっかけで気持ちが良いほうにかわる
「一転」は様子がすっかり変わることです。
一日千秋
【意味】1日が1000年に感じるほど待ち遠しい
「一日三秋」とも言います。
一進一退
【意味】進んだり退いたりする
「退」は5年生で習う漢字です。先取りで書けるようになると良いですね。
一期一会
【意味】一生に1度の出会い
「いちごいちえ」という読み方に注意。
一心同体
【意味】他人どうしが心も体も1つのように結ばれている
いつも一緒に行動する兄弟や息の合ったチームなどに使います。
二束三文
【意味】非常に値段が安い
「文」がお金の単位であることがポイントです。
三寒四温
【意味】冬、寒い日が3日続いた後4日暖かくなり…と繰り返す
あわせて1週間ですね。
八方美人
【意味】誰からも良く思われようとする
多くは悪い意味で使われます。
千差万別
【意味】種類が多く、それぞれ違っている
似た意味に「十人十色」があります。
千変万化
【意味】ものごとがさまざまに変化する
「千」「万」は「多い」という意味で使われます。
練習問題で確認してみよう
四字熟語は選択問題や穴埋め問題など、問われ方のバリエーションはたくさんあります。
漢字でも書けるか確かめるために、穴埋め問題を5問用意しました。
4年生の30語を勉強したら、画面を見ながらお子さんに書かせてみましょう。
5年生や6年生の復習としてもどうぞ。
問:( )に漢字2字を入れて四字熟語を完成させなさい。
1)コンサートを一日( )の思いで待つ。
2)新しい小説を無我( )で読んだ。
3)汚れたCDは、売っても二束( )だ。
4)人の好みは千差( )だ。
5)前代( )の大事件が起こった。
1)千秋(三秋でも)
2)夢中
3)三文
4)万別
5)未聞
まとめ
すでに知っているものやほぼ分かっているものも多かったのではないでしょうか。
4年生では目にした耳にしたことの多いもの、意味がシンプルで分かりやすいものを中心に選びました。
ゼロから覚え始めるより、なんとなく知っているものをしっかりと覚えたほうが簡単ですよね。
分からないものばかりだとしても大丈夫。合計30語なので学期ごとに10語覚えていけばOKです。
5年生、6年生になっても繰り返し触れていく語なので、覚えるチャンスはこれからもやってきますが、4年生から基礎を固めておけば後が楽になります。
受験勉強が本格化するときに、スタートダッシュを切れますね。
単に参考書を眺めたり四字熟語を書き写すだけでは飽きてしまうので、見る・言う・書くと全身を使って覚えるのも良いです。
親子で問題を出し合うのもおすすめですよ。
1年かけてじっくりと、四字熟語の基礎を固めていきましょう。
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中学受験に出る四字熟語の覚え方と勉強法!始めに覚える基本10語も紹介