小学校で習う漢字は1006字。
中学受験をするなら、6年生の夏までにはすべての漢字を一通り勉強しなければ間に合いません。
もちろん何度も繰り返して覚えることにはなりますが、まずは新出漢字。
はじめてその漢字を学ぶときにちゃんと覚えられるとその後の勉強がスムーズに進みます。
逆に最初の1回を適当にやり過ごしてしまうと、いつまでたっても正しい漢字は書けません。
まずは1回大きく書く

新出漢字を覚えるとき、何よりも大切なのは正確に書くことです。
子どもは書き順や画数を甘く見ています。「書ければいい」「分かればいい」んですよね。

とくに男子は細部への認識が甘い傾向があります。私も「採点が厳しすぎる!」と何度も言われました…
そんな子どもに正確な漢字を書かせるのは至難の業ですよね。
まずは1回、大きく書かせてみてください。
具体的には普段の字の4倍くらい。マス目の書いてあるノートだと分かりやすいと思います。
「とめ、はね、はらい」まで分かるように、大きくハッキリ書くのがポイントです。
ノートにはキレイな字が書けるのにポスターだとキレイに書けなくなる。そんな体験をしたことはありませんか?
大きく書くと漢字のバランスをとるのが難しくなります。
書き順が間違っているとなかなか上手に書けません。画数の間違いにも気づきやすくなります。
書いたら必ず正しい漢字と見比べましょう。
漢字が苦手、もしくは字が汚いという子どもの場合、大人の目もあったほうが良いですね。
最初の1回が大切です。時間をかけてじっくり正確に書きましょう。
漢字を体になじませる
正確な漢字を理解したら、全体のバランスを目と手で覚えるために何度かその漢字を書いていきます。

たとえば「識」「械」「后」といった漢字は、バランスがとりにくいので間違えて覚えてしまう子が多くいます。
画数が多い感じは1画抜けたとしても意外と気づきませんし、珍しい形の漢字は正しいバランスが身につきづらいです。
何度も書いて、目と手でバランスを整えていきましょう。
教科書や参考書には、漢字の説明も載っています。練習するときに成り立ちや1字の意味も見ておくと役に立ちます。

たとえば「解」という漢字。「角」のある「牛」を「刀」で裂く様子を表しています。
右下の部分を「午」と書いてしまうミスが目立ちますが、成り立ちが分かればそんなミスもなくなるはずですよ。
単語で練習する
新出漢字を書く練習が終わったら、単語で練習していきます。
1字を100回書いて覚える!という時代は終わりました。
1字ではなく、必ず単語で練習しましょう。単語というのはつまり、熟語や訓読みで送り仮名がついたものです。

「どうして熟語で練習するんですか」と聞かれることも多いので、少し説明しておきますね。
入試問題を見てみると、漢字は単語で答えさせられることがほとんどです。
漢字の減点は漢字が全く思い出せなくて書けなかったというだけではありません。
塾での漢字テストでもそうですが、送り仮名のミスや漢字の選定ミスがほとんどなのです。
単語で練習することには単語が覚えられる、つまり語彙力がつくというメリットもあります。
練習している単語の意味が分からなかったら必ず調べます。
「分からない→調べる」を繰り返せば漢字力と語彙力が一気につくのですから、まさに一石二鳥ですよね。
繰り返し問題を解いて定着
1度正確な漢字を頭に入れたら、繰り返し問題を解きましょう。
ここで気を付けなければならないのが、毎日少しずつ練習するということです。
1日に2時間漢字の勉強をするよりも、3日に分けて30分ずつ勉強した方が効果的です。もっと言えば、毎日10分を1週間続けたいですね。
何時間やったかではなく何回やったかが大事なのです。
新出漢字の勉強法Q&A
塾講師時代によく聞かれた質問をまとめました。
まとめ
新出漢字の勉強は、とにかく正確に覚えることがすべてです。
覚えてもすぐに忘れてしまう?
みんな同じです。1度で覚えられるわけがありません。忘れたらまた覚えればいいんです。
漢字は受験までに何度も読んだり書いたりします。1度でも正確に覚えれば、その度に少しずつ覚えていきます。
覚えて忘れて覚えて忘れて……繰り返すことで、漢字は少しずつ定着していくものです。
まずは正確に覚えることを第一に考えてくださいね。
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