家庭学習の採点って困りますよね。
マルバツで簡単に採点できそうな漢字も、意外と判断に迷うことが多いものです。
漢字は採点の結果をどう勉強に生かせば良いのかも分かりづらく、とにかく練習しろとしか言えないこともあるでしょう。
採点のポイントは「やる気につなげる」「正しく覚える」の2点です。
漢字の練習をもっと効率的にストレスなく進めるために、家庭での漢字の採点で見るべきポイントをまとめました。
採点は甘めでOK
家庭での漢字は厳しく採点したくなりますが、思っているよりも少し甘めにしたほうがやる気につながります。
とくにトメとハライはあまり厳密に考えなくて大丈夫です。
実際に塾で漢字テストの採点をするときも、トメとハライはほとんど採点対象にはしませんでした。
トメハライは違いの見極めも難しいので、バランスが整っていればOKとしていました
漢字の勉強は苦手意識を持つ子も多いので、モチベーションの維持が大切です。
細かい部分を指摘しすぎると、とくに親に対しては子供が反発してしまうこともあります。
家庭学習では字形の細かい部分にこだわりすぎず、正しい漢字が分かっているかを重視して採点しましょう。
採点時に見るべきポイント
字形にはこだわらないと言いましたが、以下の2点は漢字の採点時に細かく見てほしいです。
- ハネ
- 画数
ハネるべきところでハネているか、そして画数は正しいかです。
ハネ・・・くせ字に注意
ハネの有無が採点に影響するかどうかは意見が割れますが、中学受験では安全策を取るのがベター。
とはいえ新出漢字をひとつずつ丁寧に練習していれば、ハネは意外と体で覚えているものです。
やっかいなのはくせ字です。
ハネがかっこいい、大人っぽいという思いから、とにかくハネてしまう子がいます。
「木」の2画目や「改」の3画目など、ハネたほうが見栄えが良く感じるものも多いため、なかなか直せないようです。
一方で、一切ハネずに丸みのある字を書く子もいます。
普段はくせ字でも良いですが、漢字テストでは正確に漢字を書かなければ減点の可能性があります。
何度言っても直らないのが現実ではありますが、正確にハネているかは根気強く見てあげてほしいポイントです。
画数・・・つなげ字に注意
テストでは時間制限があり、あせりから字形が崩れてしまうことも多いです。
少し不格好なぐらいなら減点はされませんが、画数が変わってしまうと減点の恐れがあります。
たとえば「水」を3画で、「先」を5画で書いてしまうなどです。
勝手につなげて書くと字形がくずれて不正確と判断されます。
急いで書いても減点されてしまっては意味がありません。
テストで1画ずつしっかり書けるよう、普段から画数は細かく見てあげてください。
間違え方にも注目
漢字の採点をしたら、どの問題をどう間違えてしまったか分析してみましょう。
空欄だったのか、ハネや画数の減点だったのかで、必要な勉強は変わってきます。
ハネや画数で減点だった
漢字のイメージは分かっているのに減点だった場合は、単純に正確な漢字が書けなかったということ。
減点だった漢字を繰り返し書き、体になじませます。
できれば間違えたところを意識的に直せるよう、練習では大きく書くことを意識します。
目と手で正しい漢字が覚えられれば、次は正しく書けるはずです。
何も書けず空欄だった
解答欄が空欄なのは、漢字も言葉の意味も分からなかったということです。
たとえば「隣国とドウメイを結んだ」という問題の場合、言葉の意味が分かれば「同(ドウ)」だけは書けます。
空欄ということは、ドウメイが何を指すのかが分からなかったということ。
「同盟 同盟 同盟……」と繰り返し書いても、テストで問題を解けるようにはなりません。
まずは「同盟」という言葉の意味や使い方を学んでから漢字の練習をしましょう。
まったく関係ない漢字を書いた
たとえば「母はベンゴシだ」という問題に対して「勉腰」と書くなどです。
漢字が分からないというより、熟語の知識が薄いと考えられます。
漢字を書く意思はあるので、文字単位でなく熟語単位での練習を増やしましょう。
「護 護 護……」ではなく「弁護士 弁護士 看護 看護……」ということです。
熟語単位の勉強は語彙量の増加、さらには読解力の向上にもつながります。
熟語の勉強はオトクなんです!
同音異義語(同訓異字)を書いた
「けがをナオす」を「直す」と書いてしまうなど、読みは合っているけど違う漢字を書いてしまった場合。
とても惜しいのですが、よくある間違いでもあります。
同音異義語や同訓異字はなかなか覚えられないという子が多いですが、中学受験で覚えるべきものはある程度決まっています。
漢字の練習とは別に、同音異義語と同訓異字はまとめて覚えましょう。
同訓異字「アツい」「ナオす」の使い分けと勉強法を解説しますまとめ
家庭での漢字の採点は難しいですが、「やる気につなげる」「正しく覚える」の2点を意識しましょう。
やる気につなげるため、採点に迷ったらマルをつけて「でもここはこうしたほうがいいよ」とコメントをつけると良いです。
バツよりマル、叱るより褒めるほうがやる気の出る子は多いですからね。
正しく覚えさせるためには、子供の間違えやすいポイントを知っておくのが良いです。
くせ字が強いからハネを間違えやすい、同音異義語が苦手など、間違いの傾向がつかめると採点しやすくなります。
漢字の採点をうまく使って、国語に自信が持てるようになると良いですね。
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