【テンプレ・例付き】読書感想文の書き方を4ステップの構成で徹底解説!

本と果物

長期休みになると大量に出る宿題。

なかでも労力の必要な読書感想文は受験勉強に直結しないため、中学受験を考えるならサクッと終わらせて違う勉強に取り組みたいですよね。

読書感想文は長い文を書く練習にはなりますし読解力も試されます

そういう意味では受験につながるので、ネットで買ったり親が代筆したりするのではなく子供に自分の力で書き上げてほしいですね。

この記事では読書感想文が簡単に書けるようになる「構成テンプレ」をご紹介。

苦手な子でもサクサク進められるよう、実例と親の手助け例も教えちゃいます。

構成テンプレはコレ!

読書感想文の構成テンプレ

読書感想文の構成にはテンプレがあります。

その本を選んだきっかけから始め、あらすじ、印象に残ったシーン、まとめと書き進めます。

年齢に合わせた本を選び、印象に残ったシーンを増やしたりまとめの質を変えたりすれば、小学生から高校生まで構成は同じでOKです。

きっかけ:タイトルから考える

まずは「きっかけ」です。本を選んだ理由とも言えます。

数ある本の中から、どうしてその本を選んだかを書きます。

本を選ぶときは「何となく」が多いのですができたら理由をつけて選んでみましょう。

無理なら後からのこじつけでもOKです。

一番書きやすいのは「タイトル」です。

知らない本を読みたくなるきっかけは、タイトルに魅かれたからという場合が多いですよね。

たとえば中学受験で最も目にすることの多い重松清さんの「小学五年生」なら、「自分が小学五年生だから」「もうすぐ小学五年生になるから」というのがきっかけになりますね。

本の著者(作者)もきっかけになります。

「この作者の本は前に読んで面白かったから」「教科書に載っていて知っている作者だったから」など、作者に注目してみると今後の読書や読解にも生かせます。

内容とは直接関係なくとも「表紙が気になって読んでみた」というのもOKです。

「とてもかわいい表紙だったから」「タイトルは怖いのに表紙の絵は面白くて不思議だったから」などが考えられますね。

表紙の説明も加えると、文字数もアップします。

図書館や本屋ではオリジナルの読書感想文フェアとしておすすめの本を並べていることもあります。

本屋のおすすめ棚から選んだというのも、読む理由としては十分です。

「本屋の読書感想文オススメ第1位だったから」なら、普段本を読まない子でも書きやすいでしょう。

あらすじ:簡単にまとめる

読解力と表現力が試されるのがあらすじです。

子供は内容をまとめるのが苦手です。

桃太郎の内容を一文で言わせてみると力量が分かります。

「おじいさんとおばあさんが仕事に行って~」と始まったら要注意。

あらすじではなく、ストーリーをだらだらと話し続けてしまうでしょう。

桃太郎のあらすじ

「誰が何をしてどうなったか」というシンプルな形でまとめます。

たとえば桃太郎ならストーリーが短いので、「桃から生まれた桃太郎が、サル・イヌ・キジを連れて鬼を退治した」ぐらいでOKです。

小学生の読書感想文では読む本の長さにもよりますが2,3行が適切です。

書くときは以下の3つを意識しましょう。

  • 主人公はどんな人か
  • 最後はどうなるか
  • なぜその結末になったのか

具体的にはどう書くか。「白雪姫」に当てはめてみましょう。

  • 美しい白雪姫が
  • 王子と結婚した
  • 意地の悪い継母に毒リンゴで殺されかけたが王子に助けられた

この量なら一文でまとめられそうです。7人の小人とのエピソードを入れても、2行で収まりますね。

他にも書きたいエピソードがあるからと、あらすじは長くなりがちです。

しっかり読んでいる証拠なので良いことではありますが、あらすじの基本は「客観的に流れを説明すること」です。

書きたい気持ちは次のステップでたくさん発散してください。

印象に残ったポイント:量を調節する

あらすじのあとはおもしろかったところ、おどろいたところ、悲しかったところなどを書きます。

文字数によって量を調節しましょう。

小学生の書く1000字前後の読書感想文だと、印象に残ったポイントは多くても2つぐらいしか書けません

ハルカ
ハルカ

意外と1000文字って少ないです

印象に残ったポイントを書くときは、漠然と書いてはいけません。

「なんとなく全体的におもしろかった」だとどう書いたらよいのか分からなくなります。

必ず印象に残ったシーンを選び、そのページを開いて書きましょう。

シーンが決まればまずはシーンの説明からです。

どうしてそうなったのか、そのシーンのどんな点が印象に残ったのか、どう感じたのか。

面倒でもしっかり読み直して書きましょう。

鶴の恩返し印象的なシーン

たとえば「つるの恩返し」で考えてみましょう。

印象に残るシーンは、やはり禁じられていたはずなのに戸を開けてつるの姿を見てしまったシーンでしょう。

好奇心に勝てず戸を開けてしまったおばあさん、そのせいで娘を失ったおじいさん、恩返しの途中で空へと帰って行ったつる…誰の視点で考えるかによって書く内容は変わります

文字数に余裕があるなら、様々な視点で書いてみると良いでしょう。

自分だったらどうするかを書いてみるのもおもしろいですね。

「つるの優しさに恩返しをしたいので引き留める」「のぞいてしまったおばあさんを責めてしまうかも」など、子供の個性が出るところです。

まとめ:自分の人生に生かす

印象的なシーンをいくつか書いたら最後は「まとめ」です。

自分の生活にどう生かすかを考えて書きます。

小学生の作文は、自分に落とし込んでまとめるのが基本です。

たとえば社会科見学のレポートも同じですね。

「これからは大切に使おうと思った」「自分も作ってみたいと思った」など、最後は「自分の人生にどう生かすか」でまとめるとキレイです。

読書感想文では登場人物の考え方や行動を自分の生活に当てはめてみましょう

たとえば「ウサギとカメ」なら「どんなときも油断しないようにしようと思いました」とウサギの視点でまとめても、「力の差があっても諦めずに頑張ろうと思いました」とカメの視点でまとめても良いですね。

自分に落とし込むのが難しければ学んだことを書いてもOKです。

「読書感想文の中心は書き手(子供自身)」ということを忘れず、自分の話でまとめるようにしましょう。

テンプレ通りに書いてみよう

読書感想文を書いてみる

「きっかけ→あらすじ→印象に残ったポイント→まとめ」という4ステップのテンプレに沿って、実際に読書感想文の骨組みを書いてみます。

題材は「ハルカの日記」という架空の物語で、書き手は小学4年生を想定しています。

読書感想文の例『ハルカの日記を読んで』

私は夏休みに「ハルカの日記」という本を読みました。

【きっかけ】

なぜこの本を選んだかというと、私と同じ名前だからです。私は漢字で「遥」、主人公はカタカナで「ハルカ」です。名前は同じですが、性格は私とまったく違いました。

【あらすじ】

この本は大嫌いだった担任のサトウ先生が近くに引っ越してきたことから始まります。学校ではすぐに怒る怖い先生でしたが、話してみるととても生徒思いだったという話です。

【印象シーン】

印象的だったのは、夜遅くに学校から帰ってくるサトウ先生とハルカが話すシーンです。サトウ先生がプリントを作ったり生徒に電話をしたり、夜遅くまで仕事をしていることは私も考えませんでした。自分の時間を削って生徒のために頑張っている先生が「ずっとやりたかった仕事だから」と言ったときは感動しました。

【まとめ】

ハルカがサトウ先生のことを知らなかったように、私も嫌いな人のことはあまり知りません。でも本当の姿を知ると好きになるかもしれません。これからは嫌いな人のことこそよく知っていきたいと思いました。

400字(原稿用紙1枚分)になった

テンプレ通りに書きましたがあまり肉付けはしていません。

それでも400字、原稿用紙1枚分になりました。

主人公と自分の性格の違いやサトウ先生の人柄などを書き加えて印象に残ったシーンを追加すれば、1000字に届きますね。

今回は架空の物語を題材にしましたが実際に読んだ本ならもっと話は広がります。

構成がしっかりできれば1600字(原稿用紙4枚)まではサラサラっと書けると思います。

重要!構成メモを作ろう

構成メモが大事

構成が大事と言ってはいますが、テンプレ通りに書こうとしてもなかなか書けない子もいます。

構成のイメージが湧かないんですよね。

構成づくりができない子には「構成メモを作る」のがおすすめです。

箇条書き、もしくは単語レベルでも構いません。

テンプレに沿ってメモを作ってから書きましょう。

構成メモ例

埋めていくだけで構成メモが作れるよう、枠を用意しました。

単語でも本のページ数でもいいので、読み終わったらまずはメモを作ってみましょう。

構成メモ

①きっかけ(タイトル・作者など)

②あらすじ
主人公:

最後はどうなる:

どうしてそうなる:

③印象的なシーン

④まとめ(私は何をする?)

▼構成メモをダウンロードする

難しければ「対話でメモ作り」を

国語嫌いの子供にとってはメモをとることすら苦痛です。

えんぴつを持つのが嫌というレベルの子も珍しくないですよね。

そんなときは親が手を貸してあげましょう。

最終的に感想文を書くのは子供なのでズルではありません。

親ができるのはインタビュー形式でメモを作ってあげることです。

「なんでこの本にしたの?」「主人公は誰?どんな人?」と一問一答形式で聞いてあげてください。

書くのは嫌だけど、話すのならOKという子は少なくありません。

答えたことは親が簡単にまとめてあげます。これが構成メモになるわけです。

あとは本人次第となりますが、構成メモがあれば感想文のハードルはぐっと低くなります。

自分が読んで考えた内容なので文字数が足りなければ増やすこともできます。

読書感想文の参考になるサイト

読書感想文の例をもっと見たいという方にオススメのサイトをまとめました。

感想文のイメージを広げて良いところはマネしてみると良いですね。(もちろんコピペは厳禁です)

青少年読書感想文全国コンクール
→「入賞者・作品紹介」から過去の入賞作品が見られます。
 全文掲載
 書き出しやまとめの参考にもなります。
 音が出るので注意してください。

読書感想文コンクール(1万年堂出版)
入賞作品は全文掲載
 一般の部も多いので年齢は確認を。

さぴあ作文コンクール(SAPIX)
→大手進学塾主催。
 課題図書も参考になります。
 同じものを読んでから他の人が書いた作文を見てみると勉強になります。
 過去の課題図書から自分が読む本を選ぶのもアリですね。

読書感想文は作文の勉強になる

読書感想文は中学受験には直結しませんが、順序立てて分かりやすく文章をまとめる訓練になります。

そういう意味では受験勉強の役に立つとも言えますね。

本を読んで感想文を書くのは大変ですが、構成メモをとれば格段にまとめやすくなります

作文や論文、さらには受験で必要になることも多い志望理由書などでも応用できます。

乗り越えれば未来への糧となる。頑張りましょう!

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